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ひびのいろいろ

【書評】永山則夫 「木橋」

木橋

 

木橋 (河出文庫)
永山 則夫
河出書房新社 ( 2010-09-09 )
ISBN: 9784309410456
 

永山則夫は僕の世代の人間は全く馴染みがないと思う。連続4人を拳銃で殺害し、逮捕された人物だ。事件当時は19歳であった。数年前にNHKスペシャルでこの事件と被告(もう故人であるが)のことを特集されてから、自分は興味を持ち始めた。

NHK【ETV特集】「永山則夫 100時間の告白」~封印された精神鑑定の真実~ 10/14(日)夜10時、再放送:10/21(日)午前0時50分

 

永山則夫は逮捕されて以降にその壮絶な生い立ちが明らかとなりったことなどから一時期は減刑となったものの、その後の裁判で再び死刑となり1997年8月1日に執行されている。

 

その永山則夫の自伝的私小説木橋(もくきょう)だ。

作品の構成は

  • 木橋
  • 土堤
  • なぜか、アバシリ

となっている。幼少時からの壮絶な生活。その詳細な様子を鮮明に描いている。ちょっと鮮明過ぎる程に文章として描かれていて薄気味悪くなってしまうほど。そして文章が非常に上手い。

  

文章と文章の合間にはスケッチ画と思われる挿絵が描かれている。これもまた詳細に描かれている。小学校からほとんど教育を受けていない者の文章と絵画とはとても思えないほど。そして文章とこの絵画力を見れば、不運が重なければそれなりの人物になっていたと思われる。

 

僕は死刑になったということに僕は何の批判もする気はない。むしろ当然であると考えている。しかしこの事件から何かを学ばなくてはならないし、こういう人物を二度と出してはいけない。

 

それは今の僕の仕事にも大きく関係がある。

 

重い内容の書籍であるが、とても大切な本であった。