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ひびのいろいろ

ストーカー事件解決にむけて【書評】ストーカーは何を考えているか

 

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 桶川ストーカー事件のノンフィクションを読んで衝撃を受けのはつい最近。

この事件では警察の対応の杜撰さが突出していた事件であった。しかし時代が流れて、警察が十分に事件に介入するようになって以降も定期的にストーカー事件は減少することなく、継続的に続いている。ニュースで話題に上らない時期はほとんどない。

 

「ストーカー」は何を考えているか (新潮新書)
 

 

本書はそんなストーカーを取り扱った書籍。実際にストーカー問題を当事者の間に入りこんで、基本的に加害者と直接会うことにより解決していった人物による書籍だ。

  

 

 

加害者に切れ込んでゆくということは実際かなり危険を伴うこともあるし、女性がそれをやるということはかなりの決意がないとできないことだ。結局加害者側が以下のことをどうやって自分自身の中で認識できるのか? ということが根本問題としてあるんだろう

「相手から離れられない自分」を認めるということは、自分自身の弱さと孤独を目の前にすることです (P7)

それを解決するためには、警察機関の力だけではどうにもならないことが多い。

警察は以下のような理由で中々自ら手を出しにくいという現状があるからだ。

警察がなかなか警告を出さない理由のひとつは、非常に強い権力を持つ警察組織が民事上の問題に介入するのを自戒するからで、2012年の統計では、認知した19920件の事案のうち、警告を出したのはわずか一割にとどまっています (P136)

 従って医療機関や心理カウンセリングなどとの連携を取りながらの解決を基本としている。僕も多職種連携が1つの鍵であると思う。 著者は警察と医療機関との間をつなぐ、著者が運営するような機関がどうしても問題解決のためには必要であると主張する。

 

しかし、現実的に筆者のように行動できる人物がどれだけいるのかが難しい所。現時点ではNPO法人として活動しているようだけれど、もっと国が積極的に関与していかないとストーカー被害は解決してゆかないだろう。

 

あとがきで引用されている高村光太郎の【最低にして最高の道】がしんみりと心に染みてゆく、そんな書籍であった。