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ひびのいろいろ

アスペルガー症候群の中年男性と少女の交流を描く「Mary and max」は可愛くシュールな大人の映画だった。

メアリー&マックス [DVD]
フィリップ・シーモア・ホフマン, トニ・コレット, エリック・バナ, ハリー・ハンフリーズ
Happinet(SB)(D) ( 2011-11-02 )

制作期間5年の長編クレイ・アニメーション

オーストラリアで製作されたクレイアニメの映画。制作期間はなんと5年。数々の賞にも選出されているらしい。映像はセピア色でどことなくもの悲しい印象があるものの、クレイアニメが非常に丁寧に可愛く作られて、シビアでシュールなストーリー展開とのギャップがなんともいえない魅力を作り出している。

ニューヨークに住むアスペルガー症候群のマックスとオーストラリアに住む超内省的で自分に自信の持てない少女メアリーの物語。 二人の関係はメアリーが書いた1つの手紙から始まる。

マックスは天涯孤独な40代の男。チョコが大好きで体重は年齢が上がるごとにうなぎ登り。自分の部屋から出るだけでもしんどい生活。自閉症スペクトラム障害の中年男性のある1つのパターンを見事に描いている。

メアリーは母親がアル中で父親は鳥の死骸の収集癖を持ち自宅に中々帰ってこないというちょっとシビアな家庭に育つ小学生。額の痣のこともあって友だちにも虐められどこにも居場所がない少女。

20年続く二人の交流

そんな二人のどこに共通点があるんだろうと一瞬考えるものの、この二人の文通は20年以上にもわたって続いてゆく。 その中で生まれる以下のような言葉。こんな言葉がマックスから物語の後半で出てくるのだ。それだけでこの物語のすばらしさが分かるだろう。

  • 「あなたを許す理由はあなたは完全ではないからです。私も。」
  • 「欠点は自分では選べません。でも友達は選べます。」

そして映画の最後の場面は最高に美しく、いつまでも心の中に残る。今でも目を閉じるとその最後の場面が僕の心の中で映像として蘇る。素晴らしいエンディング。アスペルガー症候群を描く映画は数多くあれど、この映画は素晴らしい。