FakePlasticTree

ひびのいろいろ

【書評】あなたはなぜチェックリストを使わないのか

 

タスク管理の本ではなくチェックリストの本。タスク管理の本は結構な種類の書籍が発行されていたり、インターネット上で公開されていたりするけれどチェックリストの書籍はほとんどない。そしてこの書籍はいわゆるhow-to本でないので、手軽に技術を学びたいという人にはあまり面白くない本かもしれない。

 

主に医療業界、建築業界、航空業界の症例を紹介していき、どれほどチェックリストが役立つかということが照会されている。特に医療に身を置く著者が参考にしたのが建築業界。本書でも触れられているが、世界各国で高層ビルが建てられているもののそのような建築物が人為的なミスで崩壊したりすることはめったにない。

 

そんな建築業界の例からふたつの重要な要素を著者は見つけだしてゆく。

 

チェックリストが生み出すもの

  

それは

 

  • チェックリスト
  • コミュニケーション

の2つ。

 

特にコミュニケーションの重要性

 

以前サルビア氏は「現状把握とコミュニケーションの円熟化こそが、ここ数十年の建築の最大の進歩だ」と教えてくれた (P80)

 

複雑な状況では、先が見えないので不安が募りがちだ。だが、建築業界の人々はコミュニケーションの力を信用している。たとえ経験豊富なエンジニアであろうと、一個人の力は当てにしない。彼らが信頼するのは集団の力だ。複数人を問題に取り掛からせ、チームとして判断してもらう。 (P79)

 

チームとしてどうやって仕事を運んでゆくか?そのことは確かにすごく大事なこと。そのためにもチェックリストの運用が非常に有用らしい。全員が共通意識を持つということが大事なんだろう。

 

どんなチェックリストを作るかは本当に難しい。

 

実際にチェックを作る際のコツについても本書では書かれている

 

一方、良いチェックリストは明確だ。効率的で、的確で、どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとはせず、重要な手順だけを忘れないようにさせる。何より実用的であることが良いチェックリストの条件だ。 (P139)

 

チェックリストは長すぎてはいけない。原則として項目の数は五個から九個にしておくと良い。人間の脳が1度に保持できるのはそれぐらいだと言われている

 

「読むのち行動」ではなく、「行動のち確認」タイプのチェックリストにした。 (P158)

 

こんな感じでその重要性が書かれている。筆者が実際に手術に臨む際に作成したチェックリストも何回もの試行錯誤を繰り返して作成したのだそうだ。臨床の現場で使われているクリニカルパスもまさにこの思想を受け継ぐものなんだろう。

 

自分の置かれている領域でこれがどこまで現実的に達成可能かどうかは不明だけどとにかくやってみよう。

 

via PressSync