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ひびのいろいろ

【書評】悩みのるつぼ〜朝日新聞社の人生相談より〜

今年読んだ最初の本。電車に乗る時間が連続して三時間ぐらいあって、その中で読んだ本。

岡田斗司夫氏が朝日新聞の中での人生相談「悩みのるつぼ」で回答した答えとその回答経過、思考過程をまとめたもの。この悩みのるつぼは他にも「美輪明宏」や「上野千鶴子」、「金子勝」などなど、個性的な回答者がいて興味深い。

朝日新聞デジタル:悩みのるつぼ一覧

その悩みは年代も幅広く、内容もそれに従い幅広い。オタクの息子に悩む母親からマンションを追い出されそうなシングルマザーまで。

岡田氏の回答は思わぬ視点から答えられたものばかり、そして著者が自ら述べるように少しの愛がトッピングされている。何よりも面白い。

著者は回答をする際以下のような思考ツールを用いている。

1.分析 2.仕分け 3.潜行 4.アナロジー 5.メーター 6.ピラミッド 7.四分類 8.三価値 9.思考フレームの拡大 10.共感と立場 11.フォーカス

これを自ら考案したというだけで驚愕もの。そしてこれらの方法は実際に認知行動療法で専門家が実際に使用している幾つかの手法とだぶる。

上記の思考のフレームワークに落とし込む前に大事なこととして以下の2点を挙げている。

1.相談者に共感することの重要性(同じ温度の風呂に入ることと表現している)

2.一方的に説諭するのではなく相談者と回答者の共同作業である

という点を重ねて強調している。こんな考え方が自然にできるというだけで、尊敬に値する。この考え方も認知行動療法(精神療法でも)の治療の基本姿勢と全く同一のものだろう。

きっと著者なら精神療法家としても大成していたに違いない。

いやーとにかく凄い。世にいる数多の人生相談者だけでなく、精神療法家も読むべき本のように思える。