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ひびのいろいろ

愛と暴力の青春小説

 十代の多感な頃に読んだ小説だっり、聞いた音楽はいつまでも心に残る。しかし、えてして振り返って読み直してみたり、聞き直してみたりすると当時ほどの感激とはならないことが多い。涙を流しながら読んだ物語も、血湧き肉踊るような興奮を覚えた音楽もちょっと覚めた目で感じてしまう。

 

 これが年をとったということだとすれば少し悲しいことなのかもしれない。経験を多く積んで、ちょっとやそっとのことでは感動しなくなったということなのか。加齢により神経(感覚)が鈍感になったのか。あるいはその両方なのか。よくわからないけれど感覚が鈍くなっていることは確か何だろう。まあ、いつまでも純粋で多感な中年男というのもちょっと気持ち悪いか。

十代の頃に読みあさっていた作家

 僕が十代の多感な時期に読み漁っていた作家の1人がこの夢枕獏。確か日本SF大賞の受賞歴のある作家だ。この作家にハマるきっかけとなったのが「キマイラ」シリーズ。挿絵はあの天野喜孝氏が書いていた。ジャンルでいうとSF少年少女小説といったところ。驚くべきことにまだ物語は完結していない。20年以上続いている物語だ。

 

キマイラ・吼 - Wikipedia

肉体に謎を秘めた少年・大鳳吼のたどる数奇な運命を描いた壮大な伝奇小説。主人公の大鳳吼以外にも『闇狩り師』シリーズ主人公の弟である九十九三蔵、学園の支配者久鬼麗一、暴力団の雇われ用心棒龍王院弘などの多様な登場人物が主人公格として活躍する群像劇となっている。

 

 高校の頃まで新刊が出る度に購入して読んでいたのだけれど、最近はさっぱり脚が遠のいていた。しかしKindleのオススメコーナーにあるのを発見しほぼ20年以上ぶりくらいに読み返してみた。

 

面白いものはやっぱり面白い

 ほとんどストーブを忘れてしまっている部分もアルのだけど今読み返してみてもやっぱり面白い。10台の頃の大興奮とまではいかないにしろ、物語の中に引き込まれていく感じは変わらない。そしてけっして古くさくない。

 

「自分の中に化物を飼っている」「何か得体の知れないものが自分の中にある」という感覚は思春期の心に凄くマッチしたものでこれがこの物語に僕が強く惹き付けられる理由なんだろう。

 

読書の楽しみがまたひとつこれで増えた。それにしても恐るべしKindle。そしてありがとうKindle

 

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