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ひびのいろいろ

【書評】「項羽と劉邦」を今更読み切った

 中古で全巻セットで売り出されていたので購入した横山光輝氏の「項羽と劉邦」。横山光輝氏といえば僕にとっては三国志。中学生の時にはそれはそれは夢中になって読んだものだ。同氏の漫画がなかったら三国志自体を知ることはなかっただろうし、そういう人は結構いるんじゃないんだろうかと思う。

 

 この作者は絵柄に派手さはなくむしろ地味だけど、癖はないので誰にでもとっつきやすい。「項羽と劉邦」のあらすじはほとんど知っているにも関わらず全12巻を数日で読み切ってしまった程、夢中になった。キングダムという秦の始皇帝を描いた漫画を読んでいた所なので物語が繋ったのも良い。

 

 キングダムは一応史実に沿ってはいるが、ほぼフィクションみたいなものなので単純には比べられないけれど、ほぼ同じ時代の国を描いた漫画。二つの漫画に共通しているのは、人の命の軽さと戦いにおける将の力の重要さ。

 

 数十万単位の人が闘いに参加し、あっという間に人が死んでゆく。殺し方も考えられないほど残虐で生き埋めなどは当たり前、街の住民の虐殺/強盗なども当たり前。中国という国のすごさ(恐ろしさ)を垣間見ることができる。日本の歴史の中では民間人を大量虐殺したり、そのまま生き埋めにしたり、煮えたぎった油の中にいれるという話は聞いたことがない。それが、中国史実の中では普通に存在する。

 

 こういう世界の中で闘う将軍達。今の軍隊とは比べようもないほど、個人の力が重要視されていた時代だったのだろう。実際に個人の力で戦の形成が決まることが多かった。そんな人達の活躍に心躍らされるのだから、やっぱり人間というのはどうしようもなく戦争が好きな動物なんだろうなあ。