FakePlasticTree

ひびのいろいろ

【書評】凍りの掌

凍りの掌
おざわゆき
小池書院 ( 2012-06-23 )
ISBN: 9784862258311


厚生労働省:政策レポート(シベリア抑留中死亡者に関する資料の調査について)

実に60万人近く(575,000人)の人々が抑留され、55000人の方がなくなり、北朝鮮や旧満州に送られた方が47,000人。ちょっと想像できない数字だ。捕虜になった方々の10%程が亡くなられたことになる。

シベリア抑留といっても捕虜の方々が送られた先はシベリアに留まらず、上記の資料を見ると旧ソ連の全土にわたっている。犠牲になった人々も日本人に限らず、朝鮮の人々も多数いた。

 歴史的にみてかなり酷い事件だと思うのだが、その内容は驚くほど下の世代に伝わっていないのではないかと思う。実際このようなことはあったことは知ってはいるが、その実態についてはほとんど僕も知らない。

この漫画は自らの父親の体験談(聞き取り)を元にした形で当時のシベリア抑留の様子が描かれている

したがって個人的な経験が主体に描かれているのだろう。それでも、収容所の劣悪な環境、その環境下でも必死に生き延びて真面目に仕事をする旧日本軍の人々、徹底した共産主義教育などが生々しく描かれている。

可愛い絵柄で描かれているので、読み進めるのがそんなに困難でなくなるのが本書の良さだ。

日本人なら絶対知っておくべき事実だし、忘れてはならない歴史であることは事実だ。どんな年代の人にもお奨めできる漫画。