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ひびのいろいろ

俺だってまだ本気出してないよ。【書評】「俺は、まだ本気だしてないだけ」

新刊が発売されるのを楽しみにしている漫画の一つが発売された。「俺は、まだ本気出してないだけ」

緩い絵柄で舐めてかかってはいけない。この漫画は近年稀に見る大傑作。特に最終巻である本巻は過去の登場人物の様々なエピソードが盛りだくさん。その展開もすごい。漫画を読みながら思わず映画をみているような錯覚に陥ってしまう。そんな漫画。

とにかくコマ割りが芸術的に展開していってゾクゾクするのだ。

しかし僕は何故こんなにもこの漫画の登場人物に感情移入してしまうんだろう。丸っこくてだらしない、主人公の「シズオ」を僕らは見下して面白がっているだけなんだろうか?

シズオへの一体化と憧れ

おそらくそこには「シズオ」への憧れとが確実にあるんだろう。僕だって「俺はまだ本気出していないだけだ」と思っている。「もっとやればできるんじゃないか」って。しかし、そうではない、自分の実力が目に見えてわかってくる(どうにもならないことはどうにもならない)のが、30歳台後半から40歳前半にかけて。「シズオ」や僕の年代だ。ようは人生の先が見えてくる。

しかし「シズオ」は 自分のことを一見諦められないようでいてしっかりと現実を受け止めている。そして何よりも優しい。最高に格好いいではないか

そんな「シズオ」に憧れる自分がいるのだ。

この漫画、映画化されるらしい。主演が「堤真一」は違うんじゃなかろうか?もっとだらしなくてかっこ悪い役者が良かったなあ。