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ひびのいろいろ

「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」

去年NHKスペシャルでやっていた「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」の書籍版。

 NHKスペシャルも面白かったけど?本書も面白い。上巻は日本の外交や日本帝国陸軍の組織としての問題点に迫まっている。

 なぜ当時のエリート中のエリート達が誰しもが負けると分かっていた戦争に巻き込まれ?止められなくなっていったのか?そのことを主題に書かれている。

そして太平洋戦争直前の日本の閉塞感と現代の閉塞感は驚くほど本書を読むと似通っていることが本書を読むと分かる。

  • そこから浮かび上がってくるのは、「希望的判断」に終始し、その幻想がやぶれると「急場しのぎ」の弥縫策に奔走する、国家としての根本的な戦略が欠如した日本の姿であった

  • 体制が分裂傾向にあり、陸軍も海軍も外務省もそれぞれが言いたいことを言い、誰が明確な意思主体かわからないうちに戦争をすることになった。それが日本の特徴でした。

  • 陸軍の中枢にいる軍人たちは、当時の日本の知性を集めた極めて優秀なエリートだった。しかし、国のために存在するそのエリートが、最終的には国の利益よりも、自分たちの組織の論理を優先したという事実こそ、組織が持つ病理なのではないだろうか。

  • 失敗の原因を空気のせいにするのはやはり責任逃れです。そうではなくて、一人ひとりが利己的に計算をした結果であり、全体のことを無視して個別合理性を追求した結果、空気が生まれているのです。

本書に書かれてある文章をさらっと書き写しただけでも、これは今の日本に関する文章なのではないか? と錯覚してしまうほどに現在の状況と告知している。

 原発事故と太平洋戦争?東京電力と日本陸軍、自分達を顧みず軍部を非難する戦後国民、原発事故後に自分のこれまでの生活を振り返ることもなく東京電力をこき下ろす国民。ほんと胸が痛い。

 そして本書の一文一文が胸に突き刺さり?日本人って結局何も変わっていないんだなあと痛感する。

 まあ100年そこそこで国家としてのありようがそんなに大きく変化するはずがないか。

NHKスペシャル 日本人はなぜ戦争へと向かったのか 上 (NHKスペシャル)