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ひびのいろいろ

松本大洋の傑作! 『Sunny』

 限りなく切ない漫画、『Sunny』の第2巻。作者は松本大洋。癖のある絵柄、独特の雰囲気があってあまり今まではこの作者の作品を読んだことはなかった。そんな僕が『Sunny』の第1巻の表紙に惹かれて購入したのが一年ぐらい前、その世界観にすっかり魅了されてしまった。後で作者の生い立ちを知り、なんとも言えない切なさがこの漫画から出ている理由が分かった気になったりもした。

隙間が多く、その隙間に濃密に流れる間がたまらない。

 台詞と台詞の間が大好き。そして台詞だけでコマとコマの間の雰囲気も抜群。見かけの1ページの情報量は少ないけれど、隙間に流れている想いは無限に詰め込まれている。そして切なくて読んでいて胸がえぐられるような気持ちになるけれど、どこか温かくユーモアもある。

 こんな漫画日本じゃないとなんじゃないだろうか。

僕が一番好きな場面

 2巻の山場はおそらく、学校の保護者参観の後に足立さんが春男を連れてドライブをするところ。「どうして星の子学園で働いているの?」と尋ねる春男に足立さんが「そら、春男と会うためや」と言った後の春男の表情。車の窓を開けて、風になびく春男の髪。周囲の景色と一緒になって溶けていってしまいそうな春男。春男のほっとしたような、ちょっと照れくさくて幸せそうな表情。

 子どもは結局、両親に認められたいだけなんだよな。後は何にもいらない。浅田次郎の「角筈にて」でもあったことだけど、人間(特にこども)は「認められたい」という気持ちが一番強い。ただそれだけ。

これからどんな展開になっていくのか本当に楽しみ。

 下手な小説よりよっぽど情緒的で表現豊かな漫画。今から3巻がでるのが楽しみ。あまり起承転結がありそうなストーリ-ではないけれど、これからも淡々と続いていって欲しい。

Sunny 2 (IKKI COMIX)