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ひびのいろいろ

石巻赤十字病院の100日

『石巻赤十字病院の100日』震災後から100日間の病院の記録。

院長の飯沼一宇氏が去年の学会講演で話された内容は今も鮮明に覚えている。そして最後に飯沼氏が感極まって涙を浮かべている姿が非常に印象的であった。

震災直後から迅速かつ的確に自らの任務を遂行する病院職員。住民からの不満をぶつけられながら、自ら被災し家族の安否も分からぬまま夜通しで働き続けたそうだ。自宅が流された避難民が病院に押しかけ病院内はパニック状態。震災後数日は市役所が冠水し自衛隊も役所に近づくことができなかった。そのため自衛隊は赤十字病院を活動拠点にせざるをえなかったとのこと。周辺の総合病院が全て被災し、病院としての機能が破綻.医療圏の患者を全て受け入れなければいけない状況。まさに最後の砦。その責任感・重圧たるや想像を絶するものだったに違いない。

それを証明するかのように、ほぼ全職員が震災後数日の記憶がなく、震災後三日間は時間の感覚さえなかったらしい。それほど現場は緊張感が張り詰めていて、みな必死だったんだろう。

石巻赤十字病院の震災直後からの初動の様子はYouTubeの動画の動画にもおさめられている。全職員が整然と落ち着いて自らの仕事を行う様は見ていて神々しささえ覚える.日頃の準備と訓練をいかに真剣におこなっているかが分かる動画だ。

病院内の活動以外にも3月19日から地域の避難所へ状態把握のため巡回・アセスメントを行ったり、本当にこの病院そして日赤医療チームの活動には頭が下がる思いだ。自分の住む地域に日赤病院があれば、災害の時どれほど心強いだろう。

本書を読むと逆に勇気づけられる。そして自分もしっかりしなくてはという気持ちになる。

最後に本書に書かれていた救命救急センター長の石橋悟医師の言葉

「日常の臨床でも、災害非常時での診療でも、その瞬間から、いろいろ考えてやらなければならないのは同じことです。日々の医療をきちんとやること、想定外への備えもその延長上にしかないと思う」

これを自分の胸にもしっかりと刻み込んで、仕事をしていきたいと思う。