FakePlasticTree

ひびのいろいろ

上野

上野の街は40を少し過ぎたころより歩くことが多くなった。子どもの頃は少し怖い街のような気がしてなかなか立ち寄ることができなかったからだ。実家と距離があるのも関係していたのかもしれない。

電車を使って1時間程かかる街には中々足がむかないものだ。

小道を入っていくと中々楽しい。

洗練されすぎない、アジア的な街の雰囲気がなんとも心地良い。

芸人バー

 

毎日降りる西東京の駅。いつも駅を降り立つのは22時過ぎ。ここ数年大きな変化があったその駅の北口はサラリーマンでごったがえしている。大きな変化とはいくつかの会社と大学が再開発で引っ越してきたのだ。だから随分と人が多くなった。めまいがするほどの人混み。僕はこの街と会社の間を10年以上行き来している。小学生の時も含めると20年以上になるだろうか。この数年で随分と風景が変わった。時代が変わった。

 だからいつもと同じ風景、人の顔を見ると安心かつ安堵する。そんな人物の一人がこの駅にいる。北口の改札口を出ると決まって、飲み屋の呼び込みの人が立っている。30代後半とおぼしきその女性は「芸人バー」という立て看板を首から提げている。もうすぐ夏だというのに少し厚手の服。温暖の感覚がないのかな?と疑ってしまう。

 芸人バーという名前は明るい雰囲気を予想させるが、その看板を首から下げた女性は恐ろしくつまらなそうだ。はっきり言ってやる気が毛頭感じられないと言ってよい。この世のつまらなさをすべて一心に受け入れたかのような表情をしている。呼び込みにも全くやる気が見られない。表情は変わらない。

 でも変わらず愚直にまじめに生きている(と思われる)。あんなにつまらなそうなのに、仕事をしている。それが生きるということなのかもな。そうして僕も生き延びる勇気をもらっているのかもしれないな。とふと考えた。

休日の街

近所の町をBromptonを漕ぎながら散歩して、安い定食やで瓶ビール一本頼んで、豚肉の生姜焼き定食を食べ、路地裏の風景を写真に収める。勿論、飲んだ後は自転車には乗らない。その後ほろ酔い気分で近所の公園に立ち寄り、芝生で寝そべりながら好きな本を100ページぐらいダラダラと読む。しかし結局は芝生で寝てしまう。夕方近くになって10kmほど軽くランニング。

そんな生活が送れたらどんなに素晴らしいだろう。と優雅な休日というのを自分のアタマの中で連想してみたら、本当はたいしたことのないものだった。しかしながら、これができない現実がある。そんな現実はどんなものなんだろう。

欲を挙げればきりがなく、自分や家族に足りないものを挙げれば無数である。 「足るを知る」ことができればどんなに心が穏やかになるのだろう。

そんなことを考えた当直明けの朝であった。

モバイルボヘミアン

この書籍は以下のような思想が流れていると知っただけで信頼に値するものだと確信した。

謙虚な気持ちで、愚直に行動し続けたあとに、思い切って挑戦する。そうして手にした2つのスキルという最強の武器は、あらゆる職種・仕事にコンバート(変換)が可能で、そのあとずっと、あなたの人生を支え続けるだろう

この手の書籍は上っ面のきれい事ばかりで読者を惹き付け、行き着く先はセミナーへの勧誘。パターンが決まっている。今の職場(現状)にさっさと見切りをつけて、新しい世界へ飛びだそう! まるで、ネズミ講の勧誘文句。現代の新興宗教の一亜系といっても良いかもしれない。

たちの悪いことに読者はそれなりに勉強した気になってしまう。ブログという媒体が広がって益々その傾向は強まったように思う。

商社マン、公務員、メーカーのセールス、教師、エンジニア、事務職、アルバイトといった立場に関係なく、まず、あなたが今いる場所で学べる「普遍的な型」を徹底的に身につけることが、新しい世界に踏み出すための基礎体力となるのだ

そう、結局は人間は愚直に行動し続けるしかないのだ。それを肝に銘じなければならない。そのための心の柔軟性、しなやかさを僕は身につけたい。

ツールド東北2017

僕がロングライドの大会に初めて出場したのは3年前のツールド東北であった。

www.yoshitaka4729.com

それからまだ3年しか経過していないのかあ、というのが正直なところ。この大会は本当に素晴らしかった。現地のスタッフの手際の良さ、景色の素晴らしさ、エイドステーションの充実。それから参加した大会(といっても数は多くないけれど)を合わせても、この大会に勝るものはない。

tourdetohoku.yahoo.co.jp

当然ながらその1年後、2年後にも大会にエントリーしようと僕はした。しかし、エントリーに落選をしてしまったり、友人の結婚式などが重なり中々参加をすることができなかった。1回しか参加をしていないのにこんなに思い入れのある大会もない。とにかく今年こそは参加したい。絶対参加したいと思っていた。

幸運なことに今年は先着順の申し込み。大人気の大会なのにサーバーの負荷がかかることをしても良いのだろうか? と一瞬不安になった。しかしこれはこれで公平で良いと僕は感じる。料金が2倍高い応縁枠というのもあった。いざとなったら、こちらで申し込めば良い。

申し込み開始の時間になった。あらかじめ申し込みのページはSafariのブックマークツールバーの一番先頭にセッティングされていた。時間ぴったりに申し込み開始。

・・・・・・結果は見事出場権をゲットできた。南三陸コース170km。

今から胸が高鳴ってしょうがない。大会は9月。それまでには体重を少しでも減らさなければ。

スタンフォード式 最高の睡眠

この書籍は非常に売れているらしい。それも納得できる。

睡眠関連の書籍というとどうしても早起きの素晴らしさとか、規則正しく生活するようになって自分の人生がどんなに素晴らしいものになったかを 礼賛するものが多い。

それはそれで正しいのだろうが、なんともいえぬ胡散臭さ、もっと言うと宗教臭さみたいなものが付きまとう。正論を言われてもね、まぁそうなんだろうけどさー という感じだ。書いてあることはわかるけれど説得力がないというか、腑に落ちない。この書籍は面白かった。

本書の特徴として文章の体裁がすばらしいことがあげられる。グラフィカルな文章とでも言うのだろうか、とにかく読みやすくすんなりと頭に入る。太字やアンダーラインを効果的に使用している。ともするとバラバラになりそうな、落ち着かない、まとまらなくなりそうな文章構成。しかし本書は抜群にわかりやすい。

第2の特徴はとにかく知見が豊富。しかもその全てが科学的実証に裏付けられている。下記のような記述には裏付けはないのだろうけれど、思わず試してもみたくなる。

大量のアルコールは睡眠の質を下げるが、度数が強くても量が少なければその心配はない。もちろん体質もあるが、飲んですぐに眠ることで、最初の90分、しっかりと深く眠れているのだろう。 ウォッカはアルコール度数が40度。なかには90度近いものもある強い酒だ。ワインはおよそ14度、ビールは5度程度だが、このようなアルコール度数の低い酒をだらだらと長時間飲むより、一口含んで目を閉じるのは入眠にはいいと思われる。

眠れない時には睡眠薬のかわりにウォッカでも試してみるか。まあ冗談だけれど。

星の旅人たち

ロードムービーばっかり最近見ている。元々旅をする映画が好きなのは自分にふういう欲求があるからだろう。仕事の出張以外で旅に出た日が何時だったか?

そうやって思い返してみると思った程に少ない。日帰りの自転車旅行なら時々している。それだけで随分とリフレッシュになる。これが数泊泊まる旅行だったら、数週間だったらもっとだけれど、どんなに素晴らしいだろう。きっと人生観が変わるに違いない。

人生で一番長く旅行をしたのはいつの時期であったか? おそらく大学卒業と同時にいったギリシャの1週間が最長でなかったか。なんとも寂しい半生だなあ。せめて死ぬまでに1ヵ月ぐらい ふらふらと放浪の旅をしてみたいものだ。

星の旅人たち [DVD]
マーティン・シーン, デボラ・カーラ・アンガー, ジェームズ・ネスビット, ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン, エミリオ・エステヴェス
アルバトロス ( 2012-11-01 )

この映画はゴールデンウィーク中に見た.やっぱりロードムービーだ。息子を亡くしたアメリカの眼科医が、息子が歩く予定であったスペインの巡礼地を旅する物語。お遍路さんの外国語版といった趣きだ。すなわち「ずーっ」と歩く。

旅のきっかけは息子の亡骸をとりにいったことで始まる。装備はすべて息子がもっていたもの。事前準備も何もしないまま旅は始まる。ヨーロッパの広大な大地が唯々美しい。そしてこの「歩く」という単調な作業が非常に神聖なものに感じられる。

最初は1人旅であったが、徐々に仲間(?)も増えていく。

起承転結があまりないどちらかというと地味な映画だけれど、心にジワジワと染み渡る良い作品であったと思う。